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今年もあと数日を残すのみとなりました。この一年を振り返ると、さまざまな喜怒哀楽があったことと存じます。泣き笑いの日々のなかで時に傷つく私たちではありますが、“日にち薬”と言われるように時の経過とともに癒されていくこともあります。
ところで、今年は「倍返しだ」という言葉が流行しましたが、仕返しを成功させて、はたして私たちの心は癒されるのでしょうか。このドラマの最終回で、主人公が出向を命じられた際の表情に私たちは何を感じるでしょうか。お念仏の元祖法然上人(1133~1212)は、９歳のときに、父から「敵を怨まず、悟りの道を求めよ」と遺言されました。そして、法然上人は、父に危害をくわえた人物の仕返しを断念し、比叡山に登られます。それから苦節３０年ほど、ついに４３歳の春に浄土の御(み)教えに遇い、やすらぎを得られます。
浄土宗の教えは、自らの心のなかの鬼と対峙することからはじまります。この年の瀬「眼をそらさずに」静かにお念仏で暮れてゆきたいものです。 |
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（2013年12月） |
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